矢ヶ部 巌 著ISBN978-4-7687-0512-4
A5判 / 158頁 / 1,800円 /
分類 : 数学一般 〇
本書の目的は,行列と群との学習ではない.行列と群との鑑賞にある.行列の概念も群の概念も,大学では詳細な知識が伝授されるが,それら知識の根源に立ち入るという試みは少ないように見受けられる.「物事の根源にさかのぼって考察するというのは,数学精神の基盤である」という部分にスポットをあててみたい.行列論も群論も, その創設にはケーリーが深くのめりこんでいる.本書ではケーリーの業績を軸に対話形式で進めていく.この本を手にとったアナタが,ほんのひとときでも,数学の素顔とナマの魅力とを楽しんでいただければさいわいである.
【内容】
第1話 行列
行列の起源/行列の和と差/行列のスカラー倍/行列の積/行列の階数/ケーリ一ハミルトンの定理/4元数/4元数の行列表現/8元数/行列論の背景第2話 群
群の起源/群と乗積表/群とグラフ/群の置換表現/クヮンティックス/ケーリーの計量法/非ユークリッド幾何学/変換群/群概念の確立