ゼータはオイラーやリーマンによる素数のまとめ上げの研究から出発し、今や至る所にゼータがある状態と言えます．ゼータのあるところに現代数学の研究があり、現代数学の主要なテーマは新たなゼータの開拓・研究なのです．まさしく、ゼータの冒険です．
本書ではできる限り素朴な視点から、現代数学に現れるいろいろなゼータを見ることにします．

内容

第1章　ゼータと予想と現代数学

1. 1　ゼータとは
1. 2　現代数学と予想
1. 3　ゼータと予想
1. 4　解ける予想の枯渇

第2 章　素朴なゼータ

2. 1　素朴なゼータ
2. 2　ゼータのはじまり:オレーム1350年頃
2. 3　ゼータの発展：オイラー18世紀
2. 4　素数のゼータ

第3章　群とゼータ

3. 1　群のゼータ
3. 2　具体例
3. 3　リーマン予想の類似
3. 4　解析性
3. 5　群のゼータの歴史から
3. 6　群のいろいろなゼータ

第4章　代数群のゼータ

4. 1　代数群とは
4. 2　乗法群
4. 3　一般線形群
4. 4　シンプレクティック群
4. 5　楕円曲線とアーベル多様体
4. 6　代数群でない場合の素朴な玉河数
4. 7　深リーマン予想

第5章　ゼータと素朴な玉河数

5. 1　玉河数とは
5. 2　空からの眺め
5. 3　特殊線形群の素朴な玉河数
5. 4　2次の直交群の素朴な玉河数
5. 5　楕円曲線の素朴な玉河数
5. 6　合同ゼータ
5. 7　ハッセゼータ
5. 8　絶対ゼータ
5. 9　乗法群のゼータ
5. 10　特殊線形群のゼータ

第6章　群と表現のゼータ

6. 1　群と表現
6. 2　ゼータ
6. 3　基本群のときの例
6. 4　基本群のときの例
6. 5　離散型ゼータ
6. 6　連続型ゼータ
6. 7　ゼータの使い方
6. 8　ゼータの変形版

第7章　環のゼータ

7. 1　環のゼータとは
7. 2　環のゼータへの道
7. 3　環のゼータの面白さ
7. 4　環のゼータの行列式表示
7. 5　環のゼータの難しさ
7. 6　ラングランズ予想
7. 7　どちらが先か？
7. 8　基本群の問題
7. 9　絶対数学の視点
7. 10　環のゼータの育成

第8章　ゼータと分解・統合

8. 1　分解ということ
8. 2　ゼータの分解と統合
8. 3　オイラー積の超収束
8. 4　素数と原子
8. 5　素数の超分解
8. 6　素数ゼータの分解
8. 7　ゼータの分解・統合から素数公式へ
8. 8　ゼータの行列式表示から見た分解
8. 9　絶対ゼータの分解・統合
8. 10　ゼータの分解・統合の教訓

第9章　ゼータと量子化・古典化

9. 1　量子化と古典化
9. 2　有限体
9. 3　古典化
9. 4　仮想表現
9. 5　量子ゼータと古典ゼータ
9. 6　量子化6
9. 7　リーマン予想の証明へ

第10章　ゼータと長期計画

10. 1　ゼータの最初の長期計画：グロタンディーク
10. 2　ゼータ長期計画候補
10. 3　ベル研究所の長期計画
10. 4　研究評価問題
10. 5　植物の長期研究
10. 6　日本における数学成果の発表
10. 7　日本の数学の長期計画例
10. 8　長期計画の実行と不正
10. 9　反重力の夢
10. 10　今後50年という期間

第11章　ゼータと誘導表現

11. 1　誘導表現のありがたさ
11. 2　誘導表現とは
11. 3　保型形式
11. 4　誘導表現の使い方
11. 5　絶対ゼータの位置
11. 6　誘導表現の分解
11. 7　誘導表現のゼータに関する歴史的論文
11. 8　誘導表現と有限群の既約表現

第12章　ゼータの真の名前

12. 1　リーマンゼータの名称問題
12. 2　保型形式のゼータは正しい名前か
12. 3　ガロア表現という名前
12. 4　セルバーグゼータという模範
12. 5　ゼータという名前はどうか
12. 6　分配関数という名前
12. 7　数力

第13章　ゼータの旅立ち：リーマン予想の解き方

13. 1　第13章という意味
13. 2　リーマン予想を解く作法
13. 3　リーマン予想を解く前に
13. 4　リーマン予想を解いたとき
13. 5　リーマン予想の解き方
13. 6　リーマン予想が解けて

付録：絶対数学歌