月刊「理系への数学」幾何大王からの挑戦状
角度の問題 #14 解答例
→問題

答え ∠CAB=36°

証明

線分DEのE側の延長上にFD=ABとなるように点Fをとると, BC=DCより, ∠ABC=∠BDC=∠EDC=∠FDCとなり, △ABC≡△FDC(二辺夾角).
∴ FD=FC, ∠FCD=∠FDC=∠BDC.
錯角が等しいのでAB//FCであり, ∠CAD=∠FCE(錯角), AC=FC, AD=ECより, △ADC≡△CEF.
∴ ∠DCA=∠EFC=∠CFD=∠CAB.
また, ∠CBD=∠ABCより,二等辺三角形CBDは二等辺三角形ABCと相似なので, ∠DCB=∠CAB.
∴ ∠BCA=2∠CAB.
∠CAB+∠ABC+∠BCA=5∠CAB=180°より, ∠CAB=36°.

別解

∠CDB=∠CDE=xとおく.
BC=DCより, ∠CBD=∠CDB=x.
AB=ACより, ∠ACB=∠ABC=∠CBD=x.
△ABCの内角の和より, ∠EAD=∠CAB=180°-2x.
∠ADB=180°より, ∠EDA=180°-2x=∠EAD.
∴ AE=DE.
また,AE=AC-CE=AB-AD=DBなので, DB=DE.
よって, △CDE≡△CDB(二辺夾角)となり, ∠CED=∠CBD=x.
さらに, ∠CED=∠EDA+∠EAD=2(180°-2x)なので, x=2(180°-2x)が成立し,x=72°となる.
∴ ∠CAB=180°-2x=36°.


※ 想定解(最初の証明)では,#13に引きずられて少し難しく考えていましたが,実は補助線なしでも示せる簡単な問題でした.