月刊「現代数学」数学パズルにトドメをさす?! 今月のFlash
第43回
2014年 4月号
配置を変更せよ!(その2) 〜変形白黒ハノイの塔〜
ハノイの塔の変種を攻略する
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白黒ハノイの塔のルール

3本の棒の付いた台の左端に、2n枚の穴空き円盤(内訳はn種類の大きさのものがそれぞれ白黒1枚ずつ)が、大きい方が下になるように、なおかつ、上から順に白黒白黒…と交互になるように置かれています。これらの円盤を、以下の制約を守った操作で全て右端の棒に移動させます。

制約

・1回の操作では、一番上の1枚を別の棒に移動させることのみ可能

・ある円盤の上にそれより大きい円盤を積んではならない

・同じ色の円盤同士、もしくは同じ色の台と円盤を直接接触させてはならない(各棒の台の色は茶/白/黒のいずれか)

目的

「白黒ハノイの塔」の様々なケース、及び通常の「ハノイの塔」(使用する円盤は全て大きさの異なるn枚のみで、色に関する制約はなし)における最短手順を探しましょう。また、アニメーション表示される解答例を観察し、本編記事を参考にその解答パターンの再帰的構造を把握しましょう。

白黒ハノイの塔のルール補足

・台の色は、各棒の設置されている3箇所それぞれについて、茶色/白/黒のうちから選べます。ただし、左端の台は黒にはできません。

・茶色の台は白黒どちらの円盤とも接触可能です。

・最終的な円盤の重ね順は右端の台の色に依存しますが、右端の台が茶色の場合は、初期配置と同じ並びと、白黒を逆にしたもののどちらを最終形にするかを事前に選べます。

・真ん中の台が白、最終的な重ね順が初期状態と同じであって、左側の台と右側の台のうちどちらかが白の場合、解が存在しないので、そのような設定は禁止します。

操作方法

・画面下のメニューで、通常のハノイの塔と白黒ハノイの塔のどちらにするか、コインの枚数、3箇所のテーブルの色、最終配置における重ね順(白黒ハノイの塔で左端の台が茶色の場合のみ)を選択して下さい。

・「Start」ボタンでパズルを開始できます。また「Solution」ボタンで解答例のアニメーションを見ることができます。(禁止された設定で開始するとエラー表示されるので、設定を変更して下さい。)

・自分でパズルを解く時の基本操作は、移動したい円盤を移動先の棒までドラッグするだけです。その際、円盤の位置を正確にクリックする必要はなく、移動元の棒の周辺をクリックすれば一番上の円盤を持つ事ができ、ドロップ先も移動先の棒の周辺でかまいません。

・画面右上には、現在までの手数/その設定における最少手数が表示されます。

・画面左上のラジオボタンで、円盤移動のアニメーションの速さを変更できます。

・「Give Up」ボタン、もしくは「Menu」ボタンで、設定選択画面に戻ります。また、パズル解答の途中でも「Solution」ボタンで解答例のアニメーション表示に移行できますが、その場合はそれまでの操作は破棄され、初期状態からの解答例を示します。

本編記事の補足・訂正

本編記事において、F(n;0,0,0;0),F(n;0,2,0;0),F(n;2,0,0;0),F(n;2,2,0;0)については対応する手順を構成できないことが確認されていると記述しましたが、実際に解が存在しないのはそのうち3つだけ(前述の設定禁止のケースに相当)で、最後のF(n;2,2,0;0)(テーブルの色が左から茶・白・茶で、最終的な重ね順が初期状態と同じケース)については、かなり遠回りながら解が存在することが見落とされていました。今回のFlashではそのケースについての解も実装しています。

F(n;2,2,0;0)について、本編記事に沿って漸化式で表すと、次のようになります。(nは2以上、各記号については記事参照)
  F(n;2,2,0;0)=2Dn-1+2Rn-1+Kn-1+8,F(1;2,2,0;0)=5
  Kn=2Rn-1+Sn-1+4,K1=3

なお、この件については、5月号にて補足・訂正する予定です。