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第53回
2015年 5月号
素数を探せ!(その3) 〜矛盾する予想と整列する素数〜
素数の組のパターンを作る
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目的

ハーディ・リトルウッド予想を前提とした場合に、相対的な配置が同じものが無限に存在するための条件を満たすような素数のk個組の距離パターンを作り、その出現頻度の漸近公式の係数G2(A)の値を算出します。

素数の組の距離パターンの条件

「ある素数pに対し、距離パターンAの要素のいずれかが属するmod pの剰余類の個数をv(p;A)とするとき、いかなる素数pに対してもp-v(p;A)が1以上であること」

この条件を必ず成立させるため、途中まで距離パターンを設定して、ある素数pについてv(p;A)がp-1となった時点で、残る1つの剰余類に相当する数は距離パターンの次の項として選択できなくなります。

操作方法

画面左側の数字の並びにおいて、現在距離パターンとして選択されている数字は赤い星印で示し、その時点で次に選択できない数字は背景が灰色に変化しています。上部に表示されているkの値は、選択された数字の個数、すなわち、現在設定されている素数の組の個数を表します。

背景が青の数字をクリックすると、それが距離パターンに追加され、既に選択されている数字(0を除く)をクリックすると、選択が解除されます。また、"reset"をクリックすると、0以外の全ての選択が解除されます。

ある距離パターンを設定しようとした際に、途中で選択不可の数字が出現した場合、その時点でその距離パターンは素数の組の条件を満たしていないことが判明します。

前回一覧を示したk≦18の素数の星座の距離パターンについて、k個の素数をそれらよりコンパクトに配置することができないことを、実際に試行錯誤して確認してみましょう。

G2(A)の算出

画面右側の各欄は97以下の全ての奇素数に対応し、分母にはその素数pを、分子にはv(p;A)を示します。

k以下の素数に対応する欄は、背景を白で表示します。また、それらのうち、p-v(p;A)の値が2以上のものは分子を赤字にハイライトしてあります。

kより大きい素数のうち、v(p;A)の値がkより小さいものに対応する欄は、背景を水色で表示し、分子も赤字としています。(それ以外のkより大きい素数は、背景は灰色です。)

パターンに依存する出現頻度の補正因子であるG2(A)はで表されるので、実際には分子が赤字となっている欄のみに着目すれば算出できます。その値は、画面右下に表示されます。

設定可能な素数の組の最大個数

本ツールでは、素数間の最大距離が200までの距離パターンが設定でき、そのような素数の組のうち個数最大のものは、k=43です。(43個からなる「素数の星座」の幅が200となっています)

k=43となるパターンの1つは、1個から始めて随時その時点で設定可能な数字のうちの最も小さい数字を選択していくことで得られますが、43個からなる素数の星座は全部で6通り存在するので、他のパターンも探してみましょう。