数学が達者な人は,どのような思考回路を備え考えているのか。
本書は,この問いへの回答を明らかにする。一貫して述べているのは,変数の役割を知って式を見る目を養い,問題状況に合わせた変数の操作を習得し,それが図形としてどのようにフィードバックされるかを視ることである。数学の達人が,問題の本質を取り出し,さらりと処理するときに使っている暗黙知が存在する。彼が「なんとなく」使っていることがらを言語化しどのようなロジックとイメージで問題解決に当たるのかを書き出すという作業を通して,暗黙知を明示的な知に置き換えることを試みている。
また,豊富な図版を投入し,動きを再現したgifアニメーションのサイトを設置するなど,視覚的な理解を助ける工夫を凝らしている。
特別サイト:変数と図形表現
パラパラ劇場