双書7・大数学者の数学シリーズ カントルは集合論という無限とその限界を対象とする数学を創始した数学者である。その集合論が神学に新しい言葉を与えた。カントルはそのことを充分に自覚していた。
これまであまり語られることのなかったカントル像である。
カントルの集合論は現代の公理的集合論、論理学の一部としての集合論の源流として語られることが多い。しかしカントルの集合論は現代の論理学に吸収し尽くせるものではない。
カントルの集合論は現代の位相幾何学、一般位相幾何学のみならず代数位相幾何学にも濃い陰影を落としている。
本書では神学に数学の言葉を与えた初めての人としてゲオルグ・カントルを描く。
また、神学にカントルが与えた新しい言葉は現代の位相幾何学が依然として与え続けていることを踏まえ、カントルを位相幾何学の嚆矢と描くことにより、現代の位相幾何学が現代の神学の言葉の源泉となっている事情を詳らかにする.