松延宏一朗 著ISBN978-4-7687-0415-8
A5判 / 199頁 / 1,800円 /
分類 : 数学一般 在庫状況 : 有
「数理的」というテーマは一貫しているが、第1 部の知識を第2 部で活用するなどといったことは行っていない。このことは、現実社会での数理的知識もそういった事情にあることを反映している。
本書では、第1部で物理や工学を題材に数理的教養の一例として知的好奇心を念頭においてまとめ、第2部で身近なOffice ソフトで実務をこなす例を解説し、数理的に仕事を行うことがいかに業務効率を挙げることになるかを示した。
大学で理学部数学科や理学部物理学科で数理的教養を身に付けた人が、そのままの知識をストレートに生かして実務を行っている人はそう多くないだろうし、逆に、現実社会でコンピュータを駆使して業務を行っている人すべてが微分積分の計算を日常的にやっていることもない。このように、数理的教養と数理的実務は技術のブラックボックス化にともなって互いに独立なもののように見える。しかし、どんなに高度化した技術がブラックボックス化しても、その背後は繋がっているのだということを忘れずにいたい。
第I 部 数理的教養
- 偶 然 の 数 理
- 確率、期待値、身近な応用、確率、期待値
- 電磁気学の数理
- 電気回路と複素数、Maxwell 方程式と複素数、高校数学の問題、導体中のMaxwell 方程式
- 量子力学の数理
- 対称性と保存則、電子波の反射と屈折、確率流密度でみる、Newton 力学の場合、量子力学と複素数
- 信号処理の数理
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- Fourier 解析、数学的基礎から応用へ、直観的理解を深める、不確定性関係
- Laplace 解析、Laplace 変換の定義、初等関数のLaplace 変換、Laplace 変換の基本性質
- Heaviside 関数のFourier 変換、線形システム解析、部分分数分解、反転公式と安定性・因果律
- 離散Fourier 変換、標本化定理、離散Fourier 変換、高速Fourier 変換
- 重 力 の 数 理 測地線方程式と曲率テンソ
第II 部 数理的実務
Office ソフトの現状
- Office ソフトの標準機能
- Excel の外部データ取り込み機能、データベースクエリ、データベースクエリの活用具体例 Word のフィールド機能、フィールドとは何か、フィールドの活用具体例
- Office ソフトの実務連携
- 調査書発行、Excel でデータ準備、Word で印刷様式作成、Excel データをWord に差し込む Excel データの所見入力、データフォームの利用、ワークシート直接編集、その他
- Office ソフトの高度な連携と限界