双書16・大数学者の数学
本書は前作 『アーベル(前編) 不可能の証明へ』 の続篇である。アーベルの数学研究は「不可能の証明」、言い換えると、次数が4 を越える一般代数方程式には根の公式がないということの証明の試みに始まるが、前編では「不可能の証明」にいたるまでに代数方程式論がたどった道のりを解説した。「不可能の証明」の成功は大きな果実ではあるが、それでもなおアーベルの代数方程式論研究の一里塚にすぎず、その先にはなお広い世界が開かれている。
楕円関数論というのは何をめざして生れた理論なのだろう、
アーベルの論文の表題に現れている「楕円関数」の一語は何を指しているのだろう、
「楕円関数研究」という論文を書いたアーベルは何を研究しようとしているのだろう。。。
素朴な疑問の数々に、歴史を繙きながら検証する。