千葉逸人 著ISBN978-4-7687-0570-4
A5判判 / 253頁 / 2,700円 /
分類 : 数学一般 〇
力学系理論とは,時々刻々と変化するあらゆるものを対象とする数学の分野です.原子のようなミクロな世界から惑星の運動,電流や流体の流れ,化学反応,脳波や睡眠などの生物リズム,人口や株価の変動などの社会現象,これらによって引き起こされるカオスなど・・・さまざまな現象が力学系として表すことができます.今日ではこれらの研究手法は多岐にわたっていますが,時代を経てもあらゆる手法を数学が支えていることに変わりはありません.大学の授業では“解ける” 微分方程式を扱うことが多いかもしれませんが,実はほとんどの微分方程式は解析的に解くことができません.
本書では“解く” ことだけでなく,“解けない” 方程式に立ち向かうための基本的な知識を,具体的に手を動かして解の様子を記述できるような話題を中心に織り交ぜたつもりです.(本書「まえがき」より抜粋)
【内容】 1 階の微分方程/ 2 階の線形微分方程式(同次形) / 2 階の線形微分方程式(非同次形)/高階の線形微分方程式/線形微分方程式系と行列の指数関数/変数分離法/線形力学系の相図/非線形力学系の相図/ベクトル場の流れ/ベクトル場の標準形/ 1 次元力学系の分岐/くりこみ群の方法/中心多様体/周期軌道の分岐/離散力学系の分岐/カオス