本シリーズは初等数学の中から盲点となるものを拾い出し，解明を試みたものである．だれでもやってしまいそうな誤りは数学の基礎的なところに存在し，それは数学の本質につながっていることが多い．著者と読者との交流や対話が素材となって生まれた本書は，読者の著書ともいえるだろう．
【内容】　εに親しむ／ε，δ を楽しむ／ε，δ に泣く／ε，δ は不要か／極限の定義に盲点あり／2 つの極限のドッキング／完備とはなにか／7 つ道具でコンパクトへ／部分なら部分列か／区間とはなにか／開集合あれこれ／無限級数とは／陰関数とは何か／陰関数の微分法の泣き笑い／ x^-1 は不連続か／ Max とMinに泣く／ Max, Min の残像