上野健爾 著ISBN978-4-7687-0580-3
四六判判 / 320頁 / 3,200円 /
分類 : 数学一般 〇
本書・第1巻はジーゲルの初期の数学とナチス時代のジーゲル,そして2 次型式のジーゲルに至るまでの進展について述べる.ガウスから始まる2 次形式論はディリクレ,アイゼンシュタイン,スミス,ミンコフスキー,ハッセと深められ,最終的にジーゲルによって大きく開花した.ジーゲルのこの理論は,さらに数学の新しい分野に深化していった.特に,2 次型式論の数論自体は玉河恒雄,小野孝を始めとする日本人数学者とアンドレ・ヴェイユたちによって代数群の数論へと進展した.しかしながら,ジーゲルの数学を理解するためには19 世紀から20 世紀にかけての2 次型式論の発展深化を念頭に置く必要がある.そのため,本書ではジーゲルの人と数学と銘打ちながらも,2 次型式論についてかなりのページを割くこととなった.紙数の関係で,第1 巻はジーゲル以前の2 次型式論の紹介で終わり,ジーゲルの2 次型式論は第2 巻で述べることとする. (本書「はじめに」より一部抜粋)
【内容】 第1 章 カール・ルードウィッヒ・ジーゲル/ジーゲルの数学を語るために/学位論文/フランクフルト大学へ/ナチスの時代/ジーゲルの数学