三浦伸夫 著ISBN978-4-7687-0602-2
A5判判 / 318頁 / 3,300円 /
分類 : 数学一般 〇
本書は前書『文明のなかの数学』の古代オリエント,ギリシャ,アラビア時代に続く数学についてまとめたものである.
数学史における主流の題材と数学者ばかりではなく,現代数学に繋がるという視点をいったん脇に追いやり,その時代の数学とみなされるものとその背景を見ていく.今日ではあまり馴染みのない数学的題材や数学者たちも登場し,ときには脇道に逸れることもあるが,それらを通じて数学が如何に展開していったのか,どこを向きつつあったのかを思い描きながら,徐々に発酵していく数学,そして消えていく数学を眺める.そうすることによって,数学に対する既存の見方が覆され,新しい視界が広がるのではないか,といった思いで書かれた数学歴史書である.
【内容】 中世ヘブライ代数学/西洋中世は『原論』をどう見たか?/ルネサンスの実用数学/西洋で最初に印刷された数学書/パチョーリとヨセフスの問題/タルターリャ学復興/カルダーノと反射比/コレー/イングランドのデカルト/多角形数の意外な影響/ペルの知られざる業績/メンゴリの記号数学/デカルト『幾何学』を巡る数学者たち/2 人のイエズス会数学者と口絵/最初の代数学史の著者ウォリス/数学史研究の諸問題を巡って