月刊「現代数学」数学パズルにトドメをさす?! 今月のおまけ
第69回
2016年 11月号
ブロックを詰め込め!(その4) 〜ブロックは続くよどこまでも?〜
Y字ブロックの継続可能な配置パターン

核となる単位立方体(コアキューブ)の上・右・手前にそれぞれ1つずつ別の単位立方体(枝キューブ)を貼り付けたような形のテトラキューブをここではY字ブロックと呼び,記事ではY字ブロックで埋め尽くすことができる直方体の条件を調べています。

1辺が3の直方体はY字ブロック充填不可であると予想されていますが,証明はできていません。ここでは,正面と左側が壁で手前側と右側に無限に続くような高さ3の領域を考え,手前方向をx軸,右方向をy軸,上方向をz軸とし,Y字ブロックに含まれる単位立方体18個を組み合わせてできる1×6×3の直方体の壁(壁ブロック)を左に寄せてx軸方向に矛盾なく並べていくことで,y軸方向の幅6までのY字ブロックの可能な配置を求めています。

以下のデータでは,壁ブロックに含まれるY字ブロックのパーツとしての単位ブロックに,以下のようなキューブIDを与えています。


種別 枝キューブ ハブキューブ
形状 ┏┓
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手前に接続 01 06 08 10 12
奥に接続 00 07 09 11 13
前後接続なし 02 03 04 05

例えば,ID:107614,ID:542891の壁ブロックのデータ上の表記と,実際の形状は,下図のようになっています。ID:107614には奥への接続が発生していないこと,ID:107614の手前にID:542891を配置して矛盾なく接続することも確認してみてください。


### ID:107614 ###
[03][12][01][04][03][12]
[04][05][04][06][02][05]
[06][02][06][02][01][03]

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### ID:542891 ###
[04][00][11][02][01][00]
[06][02][05][00][04][01]
[00][01][00][01][07][02]

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以下のデータでは,上面,下面以外に,前方と左方も閉じたL×6×3の配置を,奥から手前方向に並ぶ壁ブロックの列として表現し,出現する壁ブロックの中身は別ファイルに上記のようにブロックIDの並びとして記述しています。

ここでは「x方向(またはy方向)に継続可能な配置」という考え方を導入しています。x方向に継続可能な配置とは,その配置にさらにx方向(手前方向)にパターンを追加していき,どこかで手前方向への接続が存在しないパターンが出現する可能性を保ちながら無矛盾な配置を無限に続けることができるようなものを指します。


x軸正方向,y軸正方向にオープンでx方向に継続可能な,6×6×3のY字ブロック全配置パターン一覧

ダウンロード全配置パターン51004通り(テキストファイル約3.5MB)

ダウンロード上記で使用する壁ブロック一覧(テキストファイル約1.4MB)

ダウンロード上記のうちy方向にも継続可能なパターン29280通り(テキストファイル)

壁ブロック一覧は,配置パターン一覧での出現順となっています。

y方向にも継続可能なパターンについては,51004通りの中での配置パターン番号と,その配置のx方向とy方向を入れ替えたものの配置パターン番号を併記しています。


x方向には閉じ,y軸正方向にオープンな,L×6×3(L=10,12,14)のY字ブロック全配置パターン一覧

ダウンロードL=10の全配置パターン32通り(テキストファイル)

ダウンロード上記で使用する壁ブロック一覧(テキストファイル)

ダウンロードL=12の全配置パターン672通り(テキストファイル)

ダウンロード上記で使用する壁ブロック一覧(テキストファイル)

ダウンロードL=14の全配置パターン5840通り(テキストファイル)

ダウンロード上記で使用する壁ブロック一覧(テキストファイル)

ここでは,y方向への継続可能性はチェックしていません。


※記事本編の訂正

現代数学2016年11月号「数学パズルにトドメをさす!?」第69回のp.85左側の下から10行目において,
  d=5,6においてL=12としてこのチェックを行ったところ
とあるのは誤りで,正しくは
  d=5でL=6,d=6でL=8としてこのチェックを行ったところ
でした。お詫びして訂正します。