月刊「理系への数学」数学パズルにトドメをさす?! 今月のFlash    おまけは→こちら
第4回
2010年 8月号
目盛りのない容器で水を量れ!(その2)〜三角格子のラビリンス〜
閉3容器問題に挑戦

目的

容量だけがわかっていて、目盛りのついていないA・B・C3つの容器のみを用いて、指定された量の水をいずれかの容器に量りとって下さい。ただし、3つの容器に入っている水の総量は判明しており、水を他に捨てたり、他から水を持ってきたりしてはいけません。

なお、水の総量は、どの1つの容器をとってもその容量より少ないことはなく、どの2つの容器をとってもその合計容量を超えることはないように設定されており、A=満杯、C=空の状態から操作を開始します。

基本操作

水の移動元→移動先の順にクリックします。クリックポイントは容器を含む同じ色のエリアのどこでもかまいません。

三角格子の意味

中央に配置されている、正三角形から角を落としたような形状の三角格子は、与えられた条件下で3つの容器の水の量の組合せのとりうる範囲を示しています。外側の正三角形の各辺は、そちら側に置いてある容器が空の状態を表します。また、範囲内のある点をとると、外側の正三角形の各辺からの距離が各容器の水の量を表します。現在の水の量は、白丸のポインタで示しています。

エリア内の格子線は、容器の水の量の整数値を表します。格子線のうち、黒線は初期状態から基本操作により通過可能な遷移経路であり、赤線の経路を通過することはありません。また、エリア内に引かれた赤・緑・青の薄い太線は、各容器が量りとるべき水の量になる状態を表しています。

なお、後述する「設定変更(マニュアル)」を用いると、各パラメータの変更に伴い、エリアの形状が変化する様子が観察できるので、直感的な理解に役立つでしょう。また、様々な設定において到達不能な赤い格子線(閉じたループを形成する経路)がどのような形で出現するかを調べ、記事本編の内容を確認してみましょう。

設定の変更方法(右側のボタン)

リトライ

同じ設定で初期状態から再開します。

設定変更(ランダム)

水の総量・容器容量・ゴールをランダムに再設定します。ただし、ここで出現するのは、水の総量が20以下、各容器の容量が5以上の全域問題(完全問題を含む)だけです。

設定変更(マニュアル)

フェイダー状の操作盤が出現し、水の総量が50以下、各容器の容量が2以上の範囲で設定を任意に変更できます。ただし、「水の総量が、どの1つの容器をとってもその容量より少ないことはなく、どの2つの容器をとってもその合計容量を超えることはない」という条件を必ず満たすように制御されるので、「水の総量→各容器容量→作る量」の順に設定して下さい。

「決定」ボタンをクリックすると、「完全問題」「全域問題」「非全域問題」の判定が自動的に行われ、また設定されたゴールとなる水の量に到達可能かどうかもチェックされます。到達可能な場合のみ、その設定の問題に挑戦できます。

※記事本編の訂正

理系への数学8月号「数学パズルにトドメをさす!?」第4回の「5.完全閉容器問題を探せ!」で、探索範囲が
  2≦VA≦VB≦VC≦WVA+VB,W≦50
とあるのは、正しくは
  2≦VA≦VB≦VC≦WVA+VB,W≦50
でした。お詫びして訂正します。