月刊「理系への数学」幾何大王からの挑戦状
角度の問題 #35 解答例
→問題

答え

(1) ∠DBC= [1] 48° [2] 24° [3] 66°

(2) ∠BDA= [1] 12° [2] 18° [3] 6°

証明

[1] ∠DBC=48°の場合

線分ABのA側の延長上に点X,線分BCのC側の延長上に点Yを取る.
∠XAC=∠ABD+∠DBC+∠BCA=120°.
∠DCY=180°-∠BCA-∠ACD=78°=∠ACD, ∠ABD=∠DBCより,点Dは △ABCの ∠Bの内側にある傍心.
∴ ∠XAD=∠XAC/2=60°.
∠BDA=∠XAD-∠ABD=12°.

[2] ∠DBC=24°の場合

∠CDB=180°-∠DBC-(∠BCA+∠ACD)=54°.
△BCDの外心をEとすると, ∠CEB=2∠CDB=108°, ∠DEC=2∠DBC=48°, ∠DEB=∠DEC+∠CEB=156°.
∠EBC=∠BCE=(180°-∠CEB)/2=36°, ∠EBD=∠BDE=(180°-∠DEB)/2=12°.
∠ABE=∠ABD-∠EBD=36°.
BDとCEの交点をFとし,直線BAと直線DEの交点をG,直線BAと直線CEの交点をHとする.
∠BFE=∠DBC+∠BCE=60°, ∠HGE=∠BDE+∠ABD=60°より,四角形GBFEは円に内接する.
よって, ∠DGF=∠EBF=12°=∠BDE=∠FDGとなり, FD=FG.
また, ∠FHG=180°-(∠ABD+∠DBC)-∠BCE=72°, ∠HGF=∠HGE+∠DGF=72°=∠FHGより, FH=FG.
FD=FG=FHより, ∠FDH=∠DHF=∠BFE/2=30°.
∠DHA=∠DHF+∠FHG=102°.
∠DHA+∠ACD=180°より,四角形HACDは円に内接するので, ∠CDA=∠CHA=∠FHG=72°.
∠BDA=∠CDA-∠CDB=18°.

[3] ∠DBC=66°の場合

∠CDB=180°-∠DBC-(∠BCA+∠ACD)=12°, ∠CAB=180°-(∠ABD+∠DBC)-∠BCA=42°.
線分ABのA側の延長上に, ∠CPB=12°となるように点Pを取ると, ∠PAC=180°-∠CAB=138°, ∠ACP=∠CAB-∠CPB=30°.
∠CPB=∠CDBより4点P,B,C,Dは同一円周上にあり, ∠DPC=∠DBC=66°.
∠PCD=∠ACD-∠ACP=48°,
∠CDP=180°-∠DPC-∠PCD=66°=∠DPCなので, CD=CP.
∠PCDの二等分線をmとすると,PとDはmを軸として互いに対称の位置にある.
mを軸として,Aと対称の位置に点Qを取ると,対称性より, △QDC≡△APCとなり, ∠DCQ=∠ACP=30°, ∠CQD=∠PAC=138°, ∠QDC=∠CPA=12°, ∠PCQ=∠PCD+∠DCQ=78°.
また,CQ=CA, ∠ACQ=∠ACD+∠DCQ=108°より, ∠CQA=∠QAC=36°, ∠AQR=∠CQR-∠CQA=42°.
線分PC上に, ∠QRC=24°となるように点Rを取ると, ∠CQR=180°-∠QRC-∠PCQ=78°=∠PCQよりRC=RQ.
∠RQD=∠CQD-∠CQR=60°.
ここで, ∠QDC=∠QRC/2より,3点C,Q,DはRを中心とする同一円周上にある.
よって, ∠DRQ=2∠DCQ=60°となり, △DRQは正三角形.
RC=RQ=RDより, ∠CDR=∠PCD=48°.
∠QDRの二等分線と直線CAの交点をA'とすると, ∠A'DR=30°=∠ACR=∠A'CRより, 4点D,R,A',Cは同一円周上にある.
∠A'CD=∠ACD=78°, ∠DRA'=180°-∠A'CD=102°, ∠QRA'=∠DRA'-∠DRQ=42°.
2点Q,Rは直線DA'を軸に互いに対称なので, ∠A'QR=∠QRA'=42°=∠AQR.
よって,点A'は直線QA上にあり,点AとA'はともにQAとCAの交点となるので,一致する.
∠BDA=∠CDR-∠CDB-∠A'DR=6°.